こんにちは!歯科衛生士のCHIKAです。
あなたは前歯を、虫歯で治療したことがありますか?
前歯の虫歯を治療するときによく使われるのが、
コンポジットレジン修復
と呼ばれる、保険適応の治療方法。
虫歯で空いてしまった穴に、歯の代わりに詰めるプラスチックでできた白い詰め物です。
今回は、この前歯の詰め物が変色して、茶色く黄ばんできた時の対処法について、歯科衛生士のCHIKAが解説しますね。
前歯の白い詰め物が変色
前歯に虫歯ができた時、虫歯でできた穴の代わりに詰める白い詰め物があります。
この詰め物の名称は、【コンポジットレジン】(歯科での専門用語では、略してCRまたはCR充填と呼びます)。
実はこの白い詰め物、パッと見た感じがとてもキレイで本物の歯、さながらの見た目に感じるのですが、その材質はプラスチックで出来ています。
もっと硬いもので出来ていると思ってたよ。
そう、コンポジットレジンはプラスチックだから結構もろいのも特徴だよ。
ではここで、あなたが普段の生活で使っているプラスチック容器を思い浮かべてみてください。
例えば、こんな容器。
カレーのテイクアウトだね!
こういったプラスチック容器って、カレーやミートソース系のもの、ケチャップなどトマト系のものなど、色の濃い食品を入れるとその色が容器に移った経験はありませんか?
歯に詰めている白い詰め物が変色するのも、それと同じ原理だよ。
詰め物の治療をしてすぐの状態だと、歯の色に合わせて真っ白のキレイな状態なので違和感はありませんが、
日常生活を送っていくうちに、白いプラスチックの詰め物はだんだん色が変わってくるのです。
歯の黄ばみを予防するお話は【歯の黄ばみの原因は?【簡単!】歯の黄ばみを抑える5つの方法。】にまとめています。
カレーやミートソース系ももちろんですが、コーヒーやワイン、スモーカーの方はタバコのヤニなど、プラスチックを変色させてしまう原因になるものは、たくさんあるのです。
じゃあ、変色してしまった前歯の白い詰め物は、どうすればキレイになるの?
今から説明していくね。
前歯の白い詰め物 黄ばみは落ちる?
では、先ほど出てきたこちらの容器。
プラスチックの白い容器に色移りした、カレーやミートソース系の濃い着色料は、食器洗剤とスポンジで磨くだけで汚れが落ちるかな?
……落ちない!
そうなんです。
前歯の治療に使う白い詰め物【コンポジットレジン】も、カレーやミートソースが色移りしたプラスチック容器と同じで、歯磨きをしただけでは元通りの白い色には戻りません。
前歯の詰め物はホワイトニングできる?
それじゃあ、黄ばんでしまった詰め物を白く戻すために、歯のホワイトニングをするといいんじゃないかな?
残念ながら、詰め物にホワイトニングをしても効かないんだよ。
ホワイトニングとは、歯に染み付いた黄ばみを薬液で漂白すること。
歯の色を漂白するホワイトニングは、詰め物や被せ物などの人工物には効きません。
ホワイトニングの漂白剤が効くのは、【天然歯】と言われる、自分の生まれ持っての歯だけなのです。
詰め物の変色、歯を磨いても落ちない。ホワイトニングでも落ちない。じゃあ、どうすれば…?
前歯の白い詰め物の黄ばみを除去する方法
ここまでお話してきたように、前歯の詰め物は色の濃い食べ物や飲み物、喫煙などの影響で、数年もすれば変色してきます。
そして、変色してしまった白い詰め物を元通りに白くする方法は、詰め物をまた新しく詰め直すしか方法がありません。
えぇ!?詰め物を丸ごとやりかえなくちゃいけないの!?
その通り!一度黄ばんだ詰め物は、詰めてすぐのような白さには戻らないの。
前歯に虫歯が出来て白い詰め物をしたあと、数年で詰め物が変色するまでの流れをイラストにしてみました。
①前歯に虫歯が出来ました。黒く点になっている部分です。
②虫歯になっている部分を削り取ります。
③自分の歯の色に合う詰め物を、削った穴に詰めて治療が完了です。
④詰めてすぐは自分の歯に合ったキレイな色ですが、数年経つと色が黄ばんできます。
詰め物と自分の歯との隙間から、色が入ってきたり虫歯になることもあります。
⑤変色してしまった白い詰め物は、また削ってくり抜きます。
⑥自分の歯の色に合った白い詰め物を詰めて完了です。
実際の写真で見てみると、こんな感じになります。
黄ばんだ白い詰め物は、一回削って取って歯に合った色に詰め替えるととってもキレイだね!
また変色はするけれど、これで数年もつから安心だよ。
前歯に白い詰め物をしても本来の自分の歯の色は変わらないので、自分の歯の着色を取りたい場合には家で簡単にできるセルフホワイトニングがおすすめです。
前歯の色が変わるだけで表情の印象も全然変わってくるので、やっぱりいつもキレイな白い歯でニコニコしていたいですよね。
前歯の詰め物が変色!茶色く黄ばんだ詰め物の対処法は? まとめ
前歯の虫歯治療で使う保険適応の白い詰め物は、プラスチック製なので食べ物や飲み物の色が移って変色することは避けられません。
数年経つと、必ずと言っていいほど色が黄〜茶色くなってきます。
対処法としては、黄ばんでしまった詰め物そのものを全部やりかえるしかありません。
ただ、禁煙をしたり色の濃いものを摂取しすぎないようにすると、白い詰め物の黄ばみの進行も遅らせることができますよ。
あなたの大切な歯が、いつまでもきれいに保てますように。
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